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免疫治療13「免疫を複雑にしている仕組み」

梅雨も明けぬうちに夏が来ました。暑くて仕方がないですが、生物が最も活発に活動する季節です。今回は免疫を複雑にしている仕組みをお話しします。

免疫を抑えるTリンパ球もある

Tリンパ球の中には信号を伝達されたヘルパーTリンパ球が異常に興奮して抗体を作りすぎたり、キラーTリンパ球を増やしすぎて過剰な殺細胞効果を出したりする状態を抑制する機構もあります。
制御性Tリンパ球と呼ばれるもので、特別なリンパ球があるのではなく機能的に分類されています。Tリンパ球同士もお互いを抑制方向に働きます。抗原提示細胞を抑制するサイトカインを産生したり、シグナル伝達を抑制したり、いくつかの経路で免疫活動を抑制します。

抗原提示細胞とリンパ球ネットワーク

抗原提示細胞とヘルパーTリンパ球が接着して活性化のシグナルが送られると、抗原提示細胞もIL-1やIL-12のサイトカインをつくり放出します。IL-1は主に抗体を産生するヘルパーTリンパ球に働きかけ(Th2細胞)、IL-12は癌細胞に対抗するヘルパーTリンパ球(Th1細胞)の活性化を導きます。
抗原提示細胞は腫瘍特異抗原の情報提供と同時にヘルパーTリンパ球を活性化させ免疫力を向上させます。逆に活性化されたヘルパーTリンパ球はインターフェロンを分泌し、抗原提示細胞であるマクロファージをお返しに活性化させ癌細胞を貪食させるように働きます。マクロファージとヘルパーTリンパ球はお互いに作用しあって増幅させる関係にあるといえます。

Th1細胞とTh2細胞の相互抑制機構

h2細胞が産生するIL-4はTh2細胞自身を活性化すると同時にTh1細胞の活性化を抑制します。また同時に産生されるIL-10もマクロファージの活性化を抑制します。
一般的にTh2細胞はがん免疫において抑制する方向に働きます。一方、Th1細胞が産生するIL-2はキラーTリンパ球やNK細胞を増殖させるだけでなく、Th1細胞自身にも活性化因子となり、がん免疫を促進します。さらに、INF-γはTh1細胞とNK細胞からつくられますが、Th1細胞自身とマクロファージを活性化させるとともにTh2細胞の働きを抑制します。つまりTh1細胞とTh2細胞はたがいに牽制する関係にあり、細胞免疫が優位になるか、体液性免疫が優位になるかバランスをとっています。

 

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