院長のブログ
免疫治療14「免疫細胞の役割について」

七夕に雨が降らずによかったと思います。なにしろ、牽牛と織女が天の河で会うことができる年に一回の機会ですから。年に一回しかデートできないのはロマンチックですが、さみしい気もします。
さあ、これから本格的な夏の到来です。熱中症にならないようにお気をつけてください。免疫細胞の役割のお話です。
キラーTリンパ球とは何?
キラーTリンパ球は、正常細胞の表面には現れるはずが無い「がん細胞の目印」を細胞表面に認識した時に、その細胞を殺します。「がん」の細胞が、異常だという癌細胞表面抗原という目印を示していないとキラーTリンパ球は働けません。また、認識する機会がないとキラーTリンパ球になる前の細胞(ナイーブ細胞といいます)はキラーTリンパ球に分化できません。この標的となるがん細胞はその表面にMHCクラスⅠ分子に結合した抗原を表示していることが条件となります。
つまり、抗原提示細胞からヘルパーTリンパ球に癌細胞の腫瘍特異抗原の情報が伝達され、さらにそれをキラーTリンパ球に伝達されてはじめて活性化されます。Th1細胞はIL-2を産生してキラーTリンパ球を増やします。一般的にはキラーTリンパ球はCD8-Tリンパ球ですが、癌細胞がMHCクラスⅡ分子に結合した抗原を表示している場合はCD4-Tリンパ球がヘルパーTリンパ球としてではなく、直接に癌細胞を殺すキラーTリンパ球として働きます。

キラーTリンパ球の細胞障害反応は貪食作用でなくパーフォリンという毒素を標的細胞に注入して細胞壁に孔を開けることから始まります。この孔からグランザイムという活性分子を標的細胞に注入してアポトーシスを誘導したり、フリーラジカルを注入して相手の細胞を殺します。標的細胞を呑み込む手間がかからない分、効率的な仕事が出来ます。
一個のキラーTリンパ球は1個の癌細胞だけではなく、当たったが最後、相手をなぎたおすように次々にがん細胞を殺していくことができます。キラーTリンパ球はひとつの細胞がてきぱきと癌細胞を片付けてきますが、それでも「がん」の増殖スピードがきわめて早い場合は、キラーTリンパ球の補給が追いつかないため、癌細胞を殺しきれなくなります。
そのため、あまりにも末期になってしまわないうちにキラーTリンパ球を誘導する免疫療法を行う必要があります。
また癌細胞も免疫細胞と戦っているうちに知恵を付け、細胞表面の腫瘍特異抗原を隠すものが出来てくることがあります。つまり、狼が羊の皮を纏うようになり、そうなるとキラーTリンパ球は標的を認識できずに見逃してしまいます。
この場合、がんの末期でなくても免疫細胞が「がん」の再発や転移を抑えることが出来なくなってしまいます。がん末期になってしまうと、なおさらこの確率が高くなってきます。
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