院長のブログ
免疫治療16「加齢と免疫低下(=発癌)」

朝夕が急激に冷えてきました。1日の気温差が大きいと自律神経が調子を狂わせる原因になり、免疫を狂わせることにつながります。歳をとるとさらに免疫が弱ることになります。歳を重ねると発癌する機会が増えることになります。
加齢と免疫低下(=発癌)
年を取るに従って免疫力は低下します。老齢者ではマクロファージの活性低下が多くみられますが、これは加齢とともにマクロファージのインターフェロン-γ(IFN-γ)に対する反応低下がおこるためです。さらにマクロファージのインターロイキン-12(IL-12)産生能が低下することでヘルパーT1( Th 1)リンパ球の活性化が低下し、相互作用によるTh1細胞からのマクロファージ活性化が行なわれにくくなるからです。
(インターフェロンやインターロイキン;サイトカインネットワーク)

リンパ球においては、加齢によりCD3+細胞つまりTリンパ球の数が減少します。またTリンパ球の中でもCD8+Tリンパ球が減少し、相対的にCD4+リンパ球の比率が増加してきます。つまり癌細胞を殺してくれるキラーTリンパ球の絶対数が減少し、ヘルパーTリンパ球の比率が増えます。
さらに加齢によりサイトカインの産生能力も低下しており、Th1細胞が産生するIL-2、IFN-γの産生が低下します。IL-2はキラーTリンパ球を分化させ増殖させ、IFN-γはマクロファージを活性化させますが、癌細胞を攻撃できるこのふたつの細胞に対して活性化させる力の低下がおこります。さらに具合が悪いことに、Th 2細胞由来のB細胞を増殖活性化させるIL-4やIL-10のサイトカインの産生が増加して、Th 1細胞やマクロファージの活性化を抑制することになります。これはTh 1細胞とTh 2細胞には相互に抑制する仕組みがあるからです。
リンパ球は大きく分けて2つのカテゴリーに分けられ、ウィルスに対応する抗体を産生する体液性免疫と異常細胞に対応する細胞免疫がありますが、年を取ることにより体液性免疫が優位になり、細胞免疫が抑制されるようになる結果、キラーTリンパ球の数も能力も衰えてきて、癌細胞への対応能力が低下してくることになります。また食細胞であるマクロファージの活性も衰えることにより、新たにできてしまった癌細胞を処理できなくなり「がん」の発生につながるのです。
歳を取ると「がん」になりやすいのは細胞免疫が低下するためです。ちなみに体液性免疫が優位になり血液中の免疫グロブリンが増えている老年者では、外敵を効率良く撃退する高親和性の抗体は減少しており、ウィルスや細菌の感染に対しても抵抗力の低下が認められています。
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