院長のブログ
免疫治療8「免疫を司る細胞たち」

寒さも厳しくなっています。ノロウィルスが下火になってきましたが、インフルエンザウィルスが猛威をふるう雰囲気になってきました。寒さに負けず、ウィルスにも負けないからだをつくるために、免疫を高めましょう。今回は、免疫をつかさどっている細胞について勉強しましょう。
免疫細胞とはどのような種類があるの
病原体や癌細胞を認識し、それらを排除するように免疫細胞が反応するのを免疫応答といいます。免疫応答は白血球系の細胞によって行なわれており、さまざまなタイプの細胞により異なった反応があります。
食細胞
重要な細胞のひとつに食細胞があります。標的とする細胞を貪食し自分の細胞内に取り込んで破壊します(敵細胞をまるごと呑み込んでしまうので貪食細胞ともいいます)。最も原始的な免疫反応で単球、マクロファージや多形核白血球が第一線での防御ラインを敷いています。
異物とする細胞を取りこんで処理した後に、これらの細胞の目印(細胞内または細胞表面にあるもので、免疫細胞が抗体を作り、それと結合するものです。これを免疫学的に抗原といいます。)を認識し、その情報をリンパ球に伝達する抗原提示細胞の役割も担っています。
リンパ組織

免疫反応の主役を演じているのはリンパ球です。ひとまとめにリンパ球といっても多くのキャラクターが存在し、お互いにいろいろなやり取りをしながらそれぞれの役割を演じています。そして彼らが演じる主な舞台はリンパ組織であり、そのリンパ組織は全身に分布し、その舞台もそれぞれ特徴のある背景をもっています。その舞台裏について少し説明しましょう。
胸腺と骨髄はリンパ球が分化成熟する重要な場所であり、中枢リンパ組織といわれます。これに対して末梢リンパ組織として脾臓やリンパ節があり、中枢リンパ組織で作られたリンパ球が移動してきます。その他、皮膚や腸管は最も外敵が侵入しやすい部位であり、皮内や粘膜付属リンパ組織(略してMALTといいます)にリンパ球は集まり、外敵との防衛最前線にリンパ球の駐屯地を造っています(扁桃やパイエル板など)。
口から入る敵を防ぐ最初の陣地がワルダイエル環です。外部から侵入する敵が呼吸器や消化器にまで入らないように、扁桃腺やアデノイドを咽喉の奥でリング状(環状)に配置しています。内臓まで細菌が入らないように、敵を入り口で捕まえるためにリンパ球が陣地を張っているものです。
末梢リンパ組織はこのようなかたちで、全身に免疫細胞のバリアを張り巡らしています。リンパ球は血液の流れに乗り、全身のさまざまな臓器と組織の間を活発に往来し、見回りと免疫細胞同士の情報交換をしています。また、リンパ独特の流通路としてリンパ管があり、血管とは異なるルートで全身にパイプを張っています。リンパ組織はこのように末梢と中枢が密接に連絡をとることで、体のすみずみまで応援部隊を常に送り込める体制をとっています。
末梢リンパ組織はそれぞれ独自の任務を持っており、脾臓は血行性に運ばれてきた異物を捕らえ、リンパ節は皮膚や粘膜から侵入した外敵がリンパ流に乗って運ばれてきたところを捕まえます。このリンパ節はリンパ管の合流部に存在し、リンパ流に乗ってきた細菌や癌細胞を濾過して処理する大事な役割を持っています。ちょうど、水の流れに乗って流れてきたゴミをフィルタで漉して、下流にはきれいな水しか流さないようなものです。それぞれの臓器から流れてくるリンパ流を集中的に集める場所にあるリンパ節をセンチネルノード(見張りリンパ節)といい、がんの手術の際にはリンパ行性転移があるかないかの判断材料とします。

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