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GISTの肝転移症例におけるBisphosphonate Complex(A121)の肝動脈塞栓療法の試み

【目的】Bisphosphonate はRAS蛋白の活性化の阻害を通じて各種の悪性細胞の分化増殖を抑制すると考えられている。このBisphosphonate と同様な作用が期待されるMenatetrenoneの2者を使用し、GIST腫瘍のApoptosisを引き起こすことで肝転移病巣を治療できるか検討する。

【方法】小腸のGIST切除術後に肝転移が発見された4症例の肝転移に対してPamidronate Menatetrenone Complex(A121;特許公開2004-184628)を使用して肝動注塞栓療法を行い、その臨床効果に検討を加えた。肝動脈よりPamidronate 20-60mg(平均47.0mg:total・1127/24回) Menatetrenone 40-400mg(平均193mg:4640/24回)を投与しGelatin sponge細片 0.025-0.125g(spongel1/8:0.20g)にて軽く塞栓し、A121の腫瘍に対する作用時間の延長を図った。経過観察のCTAにおいて腫瘍のVascularityの消失をもって壊死巣と診断し、固形癌取り扱い規約に準じた血管内治療独自の診断基準にて局所制御率にて効果判定を行った。

【成績】GIST肝転移病巣に対して計24回(平均6回)の肝動脈塞栓療法を行った。いずれも肝両葉に最大径2cm以上が3個以上の転移巣が認められたが2〜3回の治療までに肝転移病巣のPRが得られた。4例中2例はメシル酸イマチニブ治療後に肝転移が増悪したメシル酸イマチニブ無効例であった。本治療の中断例は副腎転移の出現と骨転移の増悪2例であった。塞栓術後の全例に発熱、嘔吐が認められたが一過性のものであった。肝病巣に胃動脈の関与が認められたときにも、胃動脈から胃および十二指腸を含めた領域に投与したが持続的な吐下血は認めなかった。

【結論】 A121による治療効果は細胞分裂抑止効果以上の殺細胞効果が得られ、術後の発熱反応等により免疫細胞の関与が示唆された。A121は抗原提示細胞を傷害しないため免疫細胞に癌特異抗原を認識させることができ、腫瘍特異抗原を認識した細胞障害性リンパ球(CTL)を増やすと考えられる。RAS蛋白を抑制する分子標的治療は免疫を活性化させる治療として応用が広いものと思われる。
肝転移症例

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