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いま現在の癌休眠療法は抗がん剤の全身投与量を減らすことで行われています。また、癌の存在する部位にだけ動脈より抗がん剤を投与する局所動注化学療法は、血管内治療といわれ、高濃度の抗癌剤を腫瘍へ直接投与する事により、全身への副作用を減らしています。しかし、全身化学療法より副作用が少なくなり延命効果も期待できる一方、抗がん剤を使っていることには変わりなく、局所投与された臓器への障害や投与ルートである血管への障害が強いものとして認められ、周囲臓器への影響が強く出れば中止せざるを得ません。低侵襲であるはずの血管内治療でも場合によっては局所障害が強くなります。末期がんでよくおこなわれるリザーバー動注療法も血管閉塞により抗がん剤の逆流がおこり、腸管などに流入し、胃腸障害を起こすことは良く知られています。
| 抗がん剤はがん細胞だけでなく周囲の正常細胞にまで大きな影響を及ぼします |
癌細胞は止まることの無い分裂を繰り返し増殖し、かつ転移をおこし人体を死にいたらしめます。しかし、癌細胞が分裂できなければ腫瘍は増大することができなくなります。そうです、がん細胞の増殖を抑制するだけで、患者さんにとっては癌がありながら普通に生活できることになるのです。この癌治療に対する新しい考え方は2000年に入り、米国でTumor Dormancy Therapy(癌休眠療法)として提唱されてきています。これは抗がん剤を減らすことで実現されていますが、抗がん剤でない分子標的治療を使えばがん休眠療法がより現実的に可能になります。
